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神奈川県の中学受験について
公立中等教育学校の高倍率続く!
神奈川県の中学受験は「公立中等教育学校」受験と、従来の国私立中学受験層に大別されます。
平成21年4月に、県立「相模原中等教育学校」「平塚中等教育学校」が開校され、神奈川県でも「公立中高一貫教育」がスタートしました。その後、平成24年4月には横浜市立「南高等学校附属中学校」が、平成26年4月に川崎市立「市立川崎高等学校附属中学校」が開校され、公立中等教育の波は県立から市立へと広がりました。その間には、「横浜国大附属横浜中学校」から「県立光陵高等学校」への連携募集(一定の成績があればそのまま進学できる)が開始されました。そして、29年4月には県内5校目の公立中等教育学校である、横浜市立「サイエンスフロンティア高等学校附属中学校」が開校されました。
これらの「公立中等教育学校」の入試(適性検査)は、いずれも高倍率であることが大きな特徴です。2024年2月実施入試の倍率は、以下の通りです(数字は各教育委員会発表)。
川崎市立川崎高校附属中学校 受験者名473名 → 合格者120名 倍率3.94倍
横浜市立南高等学校附属中学校 受験者667名 → 合格者160名 倍率4.17倍
横浜市立サイエンスフロンティア中学校 受験者429名 → 合格者80名 倍率5.36倍
神奈川県立相模原中等教育学校 受験者838名 → 合格者160名 倍率5.24倍
神奈川県立平塚中等教育学校 受験者663名 → 合格者160名 倍率4.14倍
5校の定員総数680人に対して、3070名もの受験者がいます。
この高倍率をくぐり抜けるには相当の学力と思考力が求められます。
公立中等教育学校への合格は、私立中学最上位校に匹敵する学力が求められます。
私立中学校は「大学附属・共学化」の人気が続く。
神奈川県内の私立中学校は「大学附属の共学校」人気です。
代表的な中学校が「中央大学附属横浜中学校」です。もとは、横浜山手の丘にあった「横浜山手女子中学校」(さらに前身は横浜女子商業)という女子校でしたが、平成24年より共学化し、平成25年に「中央大学附属横浜中学校」となり、校舎も港北ニュータウンへと移転しました。この変更は中学受験を目指す多くのご家庭に指示され、倍率も難易度も大きく上昇しました。
この流れに続いたのが「青山学院横浜英和中学校」です。こちらも前身は「横浜英和女学院」(さらに前身は成美学園)という女子校でしたが、平成26年に青山学院との提携を始め、平成28年に現在の「青山学院横浜英和中学校」へと改称しました。平成30年度入試より共学化に踏み切りました。「青山学院」との提携が発表されてから倍率・難易度ともに大きく上昇しています。
他にも、法政大大学附属第二中学校が平成28年より男子校から共学校へと変更し、新校舎も完成したことで、さらに人気が高まっています。
令和3年からは、大学入試が「大学センター試験」から「新テスト」へと移行したことも影響して、「私立大学附属中学校」への人気が高まっています。
また、コロナ禍では各学校の「オンライン授業」への取り組みが話題になりましたが、私立の充実ぶりが際立ち、公立との格差が大きく感じられました。
中学校で入学しやすくても、高校では「上位校」に!
神奈川県内私立中学校の特徴として、「中学入試では合格しやすいが、高校ではかなり上位になる」学校があります。これは、多くの私立学校が6年一貫教育のため、高校からの募集をしていないことに一因がありますが、高校入試には、公立中学校の成績(内申点)が大きなウェイトを占めていることに起因しています。実際に、中学受験の時点では偏差値が40台の学校が、高校受験では60台になっている場合もあります(もちろん、受験者層の違いもあります)。
どのように進路を考えるべきか?
公立中等教育学校や私立中学校への進学を考えるのであれば、保護者が「中学・高校の6年間をどのように過ごしてほしいのか」を真剣に考える必要があります。その上で、各中学校の教育方針やカリキュラムを十分に検討しましょう。ご家庭の教育方針や、ご家族の雰囲気に合っている中学校を選ぶことが大切です。「費用が安いから公立中等教育学校を受験する」といった安易な考えでは合格を勝ち取るだけのモチベーションを保つことは難しいでしょう。その結果として子どもを「勉強嫌い」にしてしまっては、何にもなりません。「これから先の人生をどのように歩んでいくのか」を、ご家族で真剣に考えることが大切です。その延長上に「中学受験」があるのです。